夢を見る
「そう……」


 雄哉が言葉尻に含みを持たせる。


「今週は結構早かったな。一週間すぐに過ぎていったし」


「今、梅雨時だからね。合間に暑くなったりするけど」


「営業職も大変だよ。日々いろんな人間と会うからな」


 彼がそう言って、もらった名刺などを名刺入れに入れ、保管していることを話した。


 雄哉も人脈などが欲しいのだろう。


 一つでも多く、業績を作るために。


 分かる気がした。


 あたしの方はずっとパソコンのキーを叩きながら、いろいろ作る。


 別に変化はなかった。


 管理職で部下たちをまとめるのが大変なのだ。


 ずっとフロアの中央席から、社員たちの仕事ぶりを見続ける。
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