夢を見る
 下手なことをされると、うちの社も迷惑になるのだ。


 買収など、言語道断だと思う。


 まあ、最悪の事態も想定しているのだけれど……。


「友里」


「何?」


「週末ぐらい、仕事のこと忘れような」


「ええ。いつもずっと仕事漬けだからね」


 あたしもリビングの椅子に座り、寛いでいた。


 さっき彼が来たとき、アイスコーヒーを二人分淹れていて、あたしの方のグラスを手に持つ。


 そして口を付け、傾ける。


 喉奥に刺激が走った。


 平日の事は思い出さないし、思い出したくもない。
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