夢を見る
 また週明けから通常通り、仕事が始まるのだから……。


 日曜の夜まで雄哉と過ごしたのである。


 揃ってゆっくりと。


 そして日曜の午後九時過ぎに彼が帰っていった。


「じゃあまたね」


「ああ、またな」


 玄関先でそう言い交わし、雄哉が夜道を歩いていく。


 あたしも彼を見送った後、部屋のベッドに寝転がり、寛いでいた。


 さっき性交した後、一緒に入浴したのだが、その時使ったシャンプーやコンディショナー、ボディーソープなどの香りが残り香となって漂っている。


 部屋にいて、独りの時を味わう。


 テレビを付けても面白いものがなかったので、電源を切ってクラシック音楽に切り替えた。


 いつも通り、睡眠にいいモーツァルトを掛ける。
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