夢を見る
 人間だから、いろいろ思う。


 だけど、言い出せばキリのないことだらけだった。


 一緒に車に乗り、エンジンを掛けてアクセルを踏み込み、走らせる。


 慣れてしまっていた。


 いつも車に乗っているので。


 ハンドルを握り、走らせ続けながら、外の景色を見る。


 街の中心部を抜けて、海岸線沿いに出た。


 ずっと走っていると、雄哉が、


「この季節の海って眩しいね」


 と言う。


「ええ」


 端的に返しながらも、掛けているサングラス越しに海を見つめた。


 そして海岸へと続く駐車場に車を停め、降りてから歩き出す。
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