夢を見る
「ありがとう」


 一言言って、そのままベッドに移動し、抱き合う。


 彼が抱きしめてくれた。


 腕を絡ませ、気持ちを伝え合う。


 特別なことは言わなくていい。


 ただ、好きだとさえ思っていれば。


 あたしも三十年以上生きてきて、家族とも一切決別し、心に誓っていたのである。


 これからも雄哉と一緒にいようと。


 ベッドの上で愛撫し合い、性交する。


 交わり続けた。


 ゆっくりと。


 そして達した後、彼が、


「特別なことは必要ないよな。俺たち、ちゃんと愛し合えてるし」
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