夢を見る
第5章
     5
 三月も初旬が終わると、春めいてくる。


 あたしもそう変わることのない日常を送り続けていた。


 会社に行けば、ずっとパソコンに向かう。


 別に変化を求めているわけじゃない。


 ただ、この季節、眠気は差す。


 あたしもフロアにいて、コーヒーを飲みながら、仕事を続けていた。


 ずっとマシーンを弄ることばかりが続く。


 刺激はなかった。


 当然だろう。


 いつも同じことしか任されないからだ。


 だけど、何かに囚われて苦しい時は、なるだけリラックスしていた。


 あたしも週末やまとまった休日以外はずっと休みなしで、社に行けばパソコン相手に仕事をしている。
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