夢を見る
 でも、嫌と言うほど分かった気がする。


 株の危うさを。


 そして週末がやってきた。


 いつも通り、雄哉と連絡を取り合う。


 会う約束を取り付けて、彼があたしの部屋に来ることになった。


 土曜の昼過ぎ、玄関先で物音がして、一応、


「どなた?」


 と訊く。


「ああ、俺。雄哉」


「今開けるわ」


 そう言って扉を押し開けた。


 彼が立っていて、


「ああ、友里。会いたかったよ。お邪魔するね」
< 269 / 815 >

この作品をシェア

pagetop