夢を見る
 と言い、靴を脱いで、部屋へと入っていく。


 雄哉もだいぶ日焼けしたようだった。


 確かに外は蒸し暑いだろう。


 察していた。


 まあ、こんな休日は部屋でゆっくりするのが一番いいのだけれど……。


「アイスコーヒー淹れるね。エスプレッソ?アメリカン?」


「じゃあエスプレッソで」


 彼がそう言って軽く一息ついた後、部屋の中で大きく伸びをし、寛ぎ続けた。


 あたしも自分用にキッチンでアイスコーヒーを一杯淹れ、しばらく二人でティータイムを取る。


 ゆっくりとした時間が過ぎ去っていった。


 本格的な夏が到来したことで、気分がガラリと変わる。


 部屋はあまり冷やしすぎないようにしていたのだが、あたしも人間だから、肌に熱は感じ取っていた。
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