夢を見る
第7章
     7
 その週の週末、雄哉が会いたいということをメールで告げてきた。


 メールを受信したのは土曜日の朝で、あたしもベッドの上に寝転がっていたのである。


 サイドテーブルに置いていたスマホを手に取り、指先でスライドさせてメールを読む。


 そして返信するため、キーを叩き始めた。


 <分かった。午後二時半過ぎに来て。夕飯用意して待ってるから。じゃあまたね>と打ち、送信ボタンを押す。


「フゥー」


 気が抜けた。


 またベッドに体を横たえる。


 あたしも普段ずっと仕事だ。


 会社でも正社員というのは、それなりの事を任され、責任を伴うのである。


 そういったことは念頭に置いていた。


 午前九時過ぎに起き出し、キッチンへと入っていく。
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