夢を見る
 どんなにたくさんの本を読もうが、社会的・経済的な成功者の語るセミナーを聞きに行こうが、全く同じなのである。


 そんなものに何ら意味はない。


 そう思えば、ちょっとしたことなど何とでもなるのだった。


 別に気にしてない。


 普段ずっとパソコンのキーを叩きながら、そんなことを考えていた。


 世の中には絶対的に人を救済する物など、まずないと。


 毎日、通勤時の車の中でパソコンを使って焼いていたお気に入りのモーツァルトのCDを掛け、平常心にしてから運転する。


 多少のことなど目を瞑らないと人間は生きていけない。


 そう思っていた。


 確かに常日頃から気を張っているので、疲れは出る。


 だけど、社内に詰めてずっとマシーンに向かっていても、ストレス解消法はあった。


 室内での有酸素運動だ。
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