夢を見る
「ああ。俺も営業で引っ切り無しに外に出てるからな。これからは冷え込んでくるし」


「風邪ひかないように気を付けてね」


「ああ。大丈夫だよ」


 雄哉がそう言ってあたしに寄り添い、近付いてくる。


 体温や微熱といったものがあった。


 一定の。


 そう気にしてない。


 単に温まるというだけで。


 お互い休みになると、何もかもを忘れてしまう。


 IT機器は使っているのだけれど、そう気に留めてない。


 確かにお互いネットがないと、生きていけないぐらい、依存症になっているのだった。


 ゆっくりと歩き続ける。


 踏みしめるようにして。
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