夢を見る
 彼とはずっと一緒だったし、意思疎通も取れていた。


 考えてみれば、あたしたちほど理想的なカップルはいないんじゃないかと思う。


 何かあれば、すぐに会いに行けるのだ。


 雄哉の方が年下なのだけれど、しっかりしていた。


 彼とはこれから先、いくらでも思い出を作れると思っていたのである。


 別に平気だ。


 愛情は年齢差を克服できることを知っていたからである。


 仕事に没頭することで、忘れられるものもあった。


 確かに平日は相変わらず忙しい。


 だけど、淡々と仕事をこなしていた。


 出社時にパソコンの電源ボタンを押し、起動するのを待って、ネットに繋ぐ。


 そしてキーを叩き続けていた。


 パソコンなど今じゃ職能でも何でもない。
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