夢を見る
「お腹空かない?」


「大丈夫だよ。大抵、残業時は先に帰る社員が出前取ってくれてるし」


「そうなんだ……」


 別に深く気に留めるわけじゃなかったのだけれど、彼も食欲が減退していて、仕事でもだいぶきついようである。


 だけど、人は置かれた環境でしか生きていけない。


 そう思っている。


 互いに普段からパソコンやスマホなどのIT機器を使い、仕事をしているのに変わりはなかったのだけれど……。


 ずっとそんなことを感じているのだった。


 確かに雄哉は営業職だ。


 外を歩き回り、仕事を取ってきている。


 営業は年に二つとか三つ、靴を履き潰すと、昔誰かから聞いたことがあった。


 おそらく、彼もそうだろう。
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