夢を見る
る。


 長年この部屋に来ているので、勝手を知っているのだ。


 別に彼が無駄な電気代やガス代などを使うことはない。


 しっかり節約できているからだ。


 それは今、リビングからキッチンの方を窺っていても分かる。


 雄哉があえて、ガス代を浮かせるため、弱火で沸かしてコーヒーを淹れていた。


 それを見ている限り把握できるのだ。


 貧乏してるんだなと。


 同時にしっかりしてるなとも思ったのである。


 堅実だと感じるに十分だった。


 ベッドの上でゆっくりしている。


 彼の方をじっと見つめながら……。


「友里、コーヒー淹れたから蓋をしておくよ」
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