夢を見る
 職場では玉木がよく助けてくれる。


 部下としては一番優秀だった。


 あたしもかなりのウエイトの仕事を彼に任せていたのである。


「主任、今日はもうお帰りください」と毎日午後八時過ぎには言う。


 そして残業を引き受けてくれるのだ。


 助かっていた。


 玉木のよきナンバーツーぶりに。


 普通の社員なら、横着なことをする人間もいるかもしれない。


 だけど、玉木の場合、そんなことは全くなかった。


 あたしも安心して業務を預けられる。


 彼に対して、だ。


 毎日マイカー通勤しているので、確かに運動量は足りなかった。


 でも運動など、努めてすればいいことである。

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