夢を見る
 雄哉もそういった番組が好きなのだ。


 あたしも彼の趣向を知っていた。


 付き合って長いと、何もかもが手に取るように分かる。


 それが自然だった。


 三十代半ばで、年下の雄哉とは関係が安定している。


 互いに想い合っているからだろう。


 そこに長続きするカップルの秘訣があるのかもしれない。


 そう思っていた。


 まあ、別に何か特別なことをするわけじゃないのだけれど……。


 休みの時が淡々と過ぎ去っていく。


 季節も冬になり、寒さが増す。


 街に出ても、街路樹などは冬枯れている。


 歩道に落ち葉などが大量にあるのは、見て取れた。
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