夢を見る
 普段、車で通勤しながら、時々歩道の方に目が行くのだ。


 別に季節が移り変わっているだけで、何かこれと言って変化があるわけじゃなかったのだけれど……。


 気持ちはまるで夏のように熱い。


 努めて気持ちは若く持っているのだった。


 三十代半ばなど、これからの方が遥かに長いのだから……。


 それにあたしも普段仕事に出かけているので、地域社会との関わりはゼロに等しい。


 自治会などには入っていないのだし、別にそういったことを気に掛けたりしたくはなかった。


 出社すれば、パソコンを立ち上げ、ずっとキーを叩くのだし……。


 地域と関わる時間など、無駄である。


 だから、あえてそういったものには参加しないのだし、別にあちらも呼びに来ない。


 あっ、そう?


 そう思って割り切っているのだった。
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