夢を見る
目を通す。


 濃い目のコーヒーをブラックで飲みながら……。


 苦い物には慣れていた。


 気になっているのは、加賀美コンツェルンの裁判の行方だ。


 成川たちがどう裁かれるかである。


 その日も通常通り、社に出勤すると、玉木たちが先に来ていて、


「主任、おはようございます」


 と挨拶してきた。


「ああ、おはよう」


「また今週もたくさん企画書打ちますよ」


「ええ、そうして。……あたしなんか業務がマンネリだから、疲れてるわ」


「確かにお疲れみたいですね」


「うん。でも、そうも言ってられないわね。仕事山積みなんだし」
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