夢を見る
 彼の自宅へと向かった。


 車で十分ぐらいのところに雄哉のマンションがある。


 あたしも彼とはずっと付き合っているのだった。


 互いに喧嘩することもあったのだが、それがあってこそのカップルだろうと思う。


 自宅マンションの駐車場に停めている軽自動車に乗り、走らせる。


 エンジンを掛けて、アクセルを踏み込んだ。


 そして雄哉のマンションへと行く。


 彼も待ち続けているだろう。


 察していた。


 海はこの季節、まだ幾分寒いのだけれど……。


 冬の海も見るにはいいのかもしれないのだが……。


 早春の太陽が昇っていた。


 地平線の彼方に。
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