夢を見る
 とにかく、週末はなるだけ多く睡眠を取っていた。


 眠れるだけ眠る――、それに尽きるのである。


 考えてみれば、もう新年が始まって二週間経つ。


 早かった。


 時の流れというものは。


 だけど、一つ言えることがある。


 それはどんなに時が経っても、変わらないものもあるということだ。


 食べ物や飲み物、娯楽、そして恋人の笑顔である。


 そう思っていたからこそ、日常で起きる些細なことや細かいことなどは、気に留めてなかった。
 

 ああ、世の中こんな感じだわと思う程度で……。


 何かと物騒な時代なのだし、モノが溢れ返っていても、人間は荒い。


 まあ、あまりいい時代だとは言えないけれど、それでも仕方ないと思い、割り切っていた。
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