夢を見る
 あたしも弱音を漏らす。


 もちろん、雄哉の気持ちの優しさは十分分かっていたのだけれど……。


 普段ずっとキーを叩きながら、企画書を打ったり、玉木たち部下が送ってくる分に目を通したりしていたのだし……。


 あたしもある意味、ずっと仕事続きで苦しかった。


 合間にいつものカフェでコーヒーを飲んだりするのだけれど……。


 コーヒーブレイクの時は、ゆっくりしている。


 あたしも家族が滅茶苦茶だったから、尚更、彼とのことが大事だった。


 まあ、お互い人間同士なのだし、別に気にすることはないと思っている。


 常に自然体なのだ。


 着飾ることなしに。


 ずっとそう感じていた。


 いつもはフロアでパソコンのキーを叩き続けながら、思うのである。
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