夢を見る
 だけど、今しておかないといけないこともたくさんある。


 年度初めだから、業務が嵩むのだ。
 

 前年度から引き続きやっている仕事もあるのだし……。


 あたしもある程度、覚悟は出来ていた。


 また社に戻れば、仕事が残っているのだから……。


 でも、あたしも人間だ。


 無理が利くことはあるのだが、やはり体調の方が優先である。


「尾田君、どこに行ってたの?」


 フロアに入って早々、上司の瀬岡が訊いてきた。


「いえ、ちょっと外出用件がありまして」


「ちゃんと仕事してね。今日も残業してもらうから」


「分かりました」


 頷き、マシーンをスタンバイ状態から元の状態へと戻して、キーを叩き始める。
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