夢を見る
 三十代後半で四十に手が届くのである。


 その日もずっと話をし続け、夜になると、玄関口で別れた。


「じゃあ、また次の土曜ね」


「ああ。無理し過ぎないようにな」


 言い交わし、別れ別れになる。


 そして雄哉が歩き出した。


 見送った後、リビングに戻り、スマホを充電器に差し込んでから、ゆっくりし始める。


 明日から仕事だと思うと、辛かった。


 人間だから、いろいろある。


 だけど、特に気に掛けてなかった。


 ゆっくりと歩いていくつもりでいる。


 地に足を付けて。


 そして日曜の夜が更けると、月曜になった。
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