夢を見る
第104章
     104
 土曜の昼過ぎ、玄関先で物音がしたので、無警戒に扉を開けると、雄哉が立っていた。


「ああ、雄哉。寒かったでしょ?上がって」


「うん。お邪魔するよ」


 彼がそう言い、室内へと入ってくる。


 そして持ってきていたバッグを置き、リビングの椅子に座った。


「一週間お疲れ様。……どうだった?今週」


「うん。まあ、普通に早く過ぎて行ったけどね。意識しないうちにな」


「体も心も疲れてるでしょ?」


「まあね。……だけど、仕事がある日は強制出勤だからな。俺も参っちゃってるけど」


 雄哉がそう言って、笑う。


 キッチンで薬缶にお湯を沸かし、コーヒーを二杯淹れた。


 そして持ってくる。
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