夢を見る
 と言った。


 人間の体には恒常性がある。


 軽い病気なら放っておいても治るのだ。


 そう思っていたので、別に多少のことはいい。


 その日も丸一日、雄哉と過ごした。


 夕方の性交の後、混浴し、髪や体を洗い合う。


 そして入浴後、リビングへ歩いていく。


 彼が、


「もう暖かいね」


 と言ったので、


「春も間近よ」


 と返した。


 椅子に座り、ドライヤーで髪を乾かす。
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