夢を見る
第111章
     111
 その日、出勤してから、社のフロアへと入っていく。


 先に玉木たち下の人間が来ていて、


「主任、おはようございます」


 と声を掛けてきた。


「ああ、おはよう。……いつも早いわね」


「ええ。我々も必死ですから。もちろん、企画書打ちますし」


「うん、分かったわ。しっかりやってね」


「はい。……主任も何かとお疲れだとは思いますが、書類にちゃんと目を通してくださいね」


 玉木がそう言って、自分のデスクへと歩き出す。


 あたしも疲労していた。


 無能な社員もいる。


 例えば、羽野という女性社員だ。
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