夢を見る
 だけど、気に掛けてなかった。


 心の中の潤いという名の感覚が麻痺してしまっているのである。


 まあ、人間だから、誰でもそんな側面はあるのだけれど……。


 その日も昼過ぎまで、ネットをしていた。


 ちょうど午後二時半過ぎに、彼がやってきたのが分かる。
 

 玄関口で物音がしたからだ。


「はい」


 そう言って扉を開けると、雄哉が立っていた。


「ああ、いらっしゃい」


 言ってから、中へ招き入れる。


 彼もどこかしら冴えない顔をしていた。


 普段の仕事で、疲れているのだろう。


 誰でもそうだ。
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