夢を見る
 別に気にしてない。


 バスルームで雄哉が髪を洗ってくれる。


 シャンプーやコンディショナーは香りの強いものを使っていた。


 幾分、強めの方がいいのだ。


 頭皮の脂分は女性でも分泌するのだし……。


 彼はいつも、そう香りの強くないシャンプー類を使っているようである。


 だけど、互いにそんなことは気にしてなかった。


 別にこれと言って、執着することじゃないからだ。


 そう思っていた。


 入浴後、キッチンの冷蔵庫からアルコールフリーの缶ビールを二缶取り出し、一本を雄哉に渡す。


 プルトップを捻り開け、飲んだ。


 いくらアルコール分が入ってないとは分かっていても、極力控えているのである。
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