夢を見る
 コーヒーをがぶ飲みしても、眠さが取れなかった。


 まあ、フロア内は常に緊張感があったので、午前十一時過ぎになると、襲ってくる眠気は自然と取れてしまったのだけれど……。


 日々デスクに就き、仕事をする。


 自宅で収納ボックスに仕舞い込んでいたTシャツや短パンを取り出し、サンダルや日焼け止めなども用意した。


 いつでも行ける状態にして、毎日を送っている。


 そしてちょうど出国の日がやってきた。 


 当日の朝、雄哉が部屋に来る。


 旅行用の大きなバッグを持って、だ。


 あたしもキャリーケースに必要なものを全部詰め込み、一緒に部屋を出て、荷物を車の後部座席に載せる。


 そしてエンジンを掛け、走らせた。


「やっと休みらしくなってきたわね」




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