夢を見る
「ああ。……有休いっぱいあったんだろ?」


「うん。ここらで使ってもいいって思ってて」


「まあ、目的地が赤道直下だからね。暑いだろうし」


「ええ。水を入れたペットボトル持ってきてるわ。喉渇くと思うから」


 そう言って、ハンドルを握り続ける。


 やがて小一時間走り、地元の空港に着いた。


 荷物を持ち、出入り口からフロアに入って歩き出す。


 国際線の搭乗口で、予め届けられていたチケットを係員に手渡すと、


「機内へどうぞ」


 と言われ、飛行前の航空機に案内してもらえた。


 機内はキャビンアテンダントの降っている香水が滞留していて、幾分匂うのだけれど、これが飛行機の実態だ。


 席へと座り、タブレット端末を取り出す。
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