夢を見る
 何にも増して。


 アバンチュールのようなものだった。


 使い古された言い方をすれば、である。


 いつもは小さくて閉鎖されたオフィスで働き続けているので、たまには広い場所もいいと思えた。


 島に着き、入国審査を経て、許可が下りてから、まずすべきなのは両替だ。


 まとまった日本円を現地のお金と交換してもらう。


 そしてアイスコーヒーを一杯買い、飲むつもりだった。


 何せ、眠いからである。


 熱い空気に晒されると、どうしても眠気が差してしまう。


 まあ、あたしにとって、一杯のアイスコーヒーがいいのだった。


 別に贅沢でも何でもないのだし……。


 それに島は夜になると、灼熱の暑さが訪れると聞いたので、尚更そうだ。
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