夢を見る
 絶対に負けない。


 そう思っているのだった。


 実際、玉木たち部下と同じフロアで仕事をしていても、感じることはある。


 プレッシャーなど、だ。


 だけど、言い出せばキリがないと思っていた。


 人間だから、誰でもいろいろある。


 それをようやく克服しかけているところだった。


 悩みや葛藤などには、相変わらず苛まれていたのだけれど……。


 ずっと精神的にきつい状態が続く。


 春先で、真冬のようにコートを羽織ったりすることはない。


 寒さはだいぶ和らいでいた。


 あたしも思うのだ。


 雄哉とはまた会えると。
< 810 / 815 >

この作品をシェア

pagetop