夢を見る
 あたしも思う。


 この写真をしばらくの間、スマホの待ち受け画面に設定しようと。


 もし、雄哉がこれを見たら何と言うだろう?


「この写真好きだよ」と素直に言ってくれるのが容易に察せられた。


 それぐらい、いいものなのである。


 別に見せびらかすわけじゃないのだけれど……。


 金曜の昼過ぎに空腹が満たされたことを感じながら、社へ戻った。


 フロアに佇み続ける。


 眠気は差してきた。


 だけど、コーヒーで凌いでいる。


 濃い目のコーヒーを淹れて飲みながら、午後の始業時間を待つ。


 新年度からもここの主任だ。


 別に変わったことはない。
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