甘え下手
店員さんに連れられて彼女がこちらへやってきたところだった。
「沙綾(さあや)、早かったね」
「沙綾ちゃんっていうんだー。めっちゃ可愛いね! 俺、参田仁(さんだじん)。仁ちゃんって呼んでね。ささっ、座って座って」
沙綾のビジュアルを見てテンションMAXになった参田さんは、彼女に私の隣の席を進めながら、声をひそめもせずに堂々と私に言って退けた。
「比奈子ちゃん! 合コンの時のツレは、自分より格下を呼ぶのが定石だろ! もう、比奈子ちゃんって何ていいコなんだ! お兄さん、心配になるよ!」
「誰がお兄さんですか」
「お姉ちゃんの会社の人って面白いね」
沙綾が楽しそうにふふっと笑うと、参田さんの顔は、分かりやすくふにゃっと崩れた。
サタン参田より、沙綾の小悪魔スマイルの方が破壊力が上らしい。
「えっ、お姉ちゃんってことは……妹!?」
「はい、お姉ちゃんがいつもお世話になってます」
どっちかっていうと、私の方がお世話してると思うんだけど。
大人だから黙っておいた。
「沙綾(さあや)、早かったね」
「沙綾ちゃんっていうんだー。めっちゃ可愛いね! 俺、参田仁(さんだじん)。仁ちゃんって呼んでね。ささっ、座って座って」
沙綾のビジュアルを見てテンションMAXになった参田さんは、彼女に私の隣の席を進めながら、声をひそめもせずに堂々と私に言って退けた。
「比奈子ちゃん! 合コンの時のツレは、自分より格下を呼ぶのが定石だろ! もう、比奈子ちゃんって何ていいコなんだ! お兄さん、心配になるよ!」
「誰がお兄さんですか」
「お姉ちゃんの会社の人って面白いね」
沙綾が楽しそうにふふっと笑うと、参田さんの顔は、分かりやすくふにゃっと崩れた。
サタン参田より、沙綾の小悪魔スマイルの方が破壊力が上らしい。
「えっ、お姉ちゃんってことは……妹!?」
「はい、お姉ちゃんがいつもお世話になってます」
どっちかっていうと、私の方がお世話してると思うんだけど。
大人だから黙っておいた。