甘え下手
恋を止めて
「私、阿比留さんタイプかも!」
帰りのタクシーの中でも沙綾は上機嫌で、阿比留さんの話ばかりしていた。
私はどちらかといえば上の空で、さっき阿比留さんが言ったことの意味ばかりを考えていた。
「お姉ちゃん!」
「えっ? な、何……?」
「さっきから変だよ。なんかあったの?」
「……何もないよ」
「ほんと~? 顔も赤いしボーッとしてるし。ねえ、私、阿比留さんのことが好きになるかもって言ってるの」
「えっ……?」
「お姉ちゃん、いい人だって言ってたし、いいよね?」
「……いい人、だとは思うけど」
けどなんだろう?
女グセが悪いみたいだからやめとけ?
だけど私は実際、阿比留さんがどの程度遊び人なのかなんて知らない。
目に見える阿比留さんは優しくてちょっと意地悪で、だけどもとてもいい人だ。
帰りのタクシーの中でも沙綾は上機嫌で、阿比留さんの話ばかりしていた。
私はどちらかといえば上の空で、さっき阿比留さんが言ったことの意味ばかりを考えていた。
「お姉ちゃん!」
「えっ? な、何……?」
「さっきから変だよ。なんかあったの?」
「……何もないよ」
「ほんと~? 顔も赤いしボーッとしてるし。ねえ、私、阿比留さんのことが好きになるかもって言ってるの」
「えっ……?」
「お姉ちゃん、いい人だって言ってたし、いいよね?」
「……いい人、だとは思うけど」
けどなんだろう?
女グセが悪いみたいだからやめとけ?
だけど私は実際、阿比留さんがどの程度遊び人なのかなんて知らない。
目に見える阿比留さんは優しくてちょっと意地悪で、だけどもとてもいい人だ。