甘え下手
「えっと……、行きます。よろしくお願いします」
「こら百瀬。勝手に約束を取りつけるなよ」
いつの間にかセミナーから戻ってきていた櫻井室長が後ろに立っていた。
「櫻井です。はじめまして。百瀬がいつもお世話になっております」
「はじめまして。宇野です。こちらこそいつも百瀬さんにはお世話になっております」
流れるように名刺交換を済ませると櫻井室長はニッコリと笑って言った。
「I社の課長は甲斐さんですよね? 僕も昔お世話になったので食事会に参加してもよろしいですか?」
「あっ、はい、もちろんです」
櫻井室長のデキるオーラを感じ取ったのか、宇野さんが心なしか緊張しているのが分かった。
私はただポカンと二人のやり取りを見ていて、やがて宇野さんが頭を軽く下げて自分のブースへと戻って行った。
結局櫻井室長にも同行させることになってしまった。
これは義務の接待じゃないのに。
「こーら。百瀬は営業じゃないんだし、接待のコンパニオン役まで引き受けなくていいの。いつもこんなことやってんのか?」
「こら百瀬。勝手に約束を取りつけるなよ」
いつの間にかセミナーから戻ってきていた櫻井室長が後ろに立っていた。
「櫻井です。はじめまして。百瀬がいつもお世話になっております」
「はじめまして。宇野です。こちらこそいつも百瀬さんにはお世話になっております」
流れるように名刺交換を済ませると櫻井室長はニッコリと笑って言った。
「I社の課長は甲斐さんですよね? 僕も昔お世話になったので食事会に参加してもよろしいですか?」
「あっ、はい、もちろんです」
櫻井室長のデキるオーラを感じ取ったのか、宇野さんが心なしか緊張しているのが分かった。
私はただポカンと二人のやり取りを見ていて、やがて宇野さんが頭を軽く下げて自分のブースへと戻って行った。
結局櫻井室長にも同行させることになってしまった。
これは義務の接待じゃないのに。
「こーら。百瀬は営業じゃないんだし、接待のコンパニオン役まで引き受けなくていいの。いつもこんなことやってんのか?」