甘え下手
「沙綾ちゃん、かなり荒れてて家に泊まるって聞かなくて。そのまま酔いつぶれちゃったし、ホント何もしてないから。広哉には言わないで」
櫻井室長が必死に手を合わせて、お願いポーズをするから、少し笑ってうなずいて見せた。
櫻井室長はそんな人じゃない。きっとその言葉に嘘はない。
だけど私の知らないところで、そんなドラマがあったんだ。
ちっとも知らなかった。
なんか私ってやっぱりおめでたいな。
そんな私の想いなんて露知らず、櫻井室長はさらにガツンと追い打ちをかけた。
「だけど見つけてくれたのが比奈子ちゃんでよかったよ」
「……え」
「ホラ、恋人とかに見られたら絶対争いの火種になるだろ」
そう言って櫻井室長が笑うから、私は「彼女なんかいないくせに」とつられて笑った。
だけど櫻井室長の方はそんな私を見て、スッと笑顔を消すと急に真顔になった。
「実はさ、比奈子ちゃん……」
「え?」
もうその瞬間から嫌な予感はしてた。
櫻井室長が必死に手を合わせて、お願いポーズをするから、少し笑ってうなずいて見せた。
櫻井室長はそんな人じゃない。きっとその言葉に嘘はない。
だけど私の知らないところで、そんなドラマがあったんだ。
ちっとも知らなかった。
なんか私ってやっぱりおめでたいな。
そんな私の想いなんて露知らず、櫻井室長はさらにガツンと追い打ちをかけた。
「だけど見つけてくれたのが比奈子ちゃんでよかったよ」
「……え」
「ホラ、恋人とかに見られたら絶対争いの火種になるだろ」
そう言って櫻井室長が笑うから、私は「彼女なんかいないくせに」とつられて笑った。
だけど櫻井室長の方はそんな私を見て、スッと笑顔を消すと急に真顔になった。
「実はさ、比奈子ちゃん……」
「え?」
もうその瞬間から嫌な予感はしてた。