甘え下手
だけどその事実を今の状態の阿比留さんに話す気力はなかった。
ここで嫌味でも言われたら、私は笑って流す自信がない。
『そうだよ、お姉ちゃん! ガンバレー』
突然、電波の向こうで聞こえた妹の声に、心臓が凍りついた気がした。
「さーちゃん……?」
『ああ、今沙綾と一緒。沙綾も応援してるってさ』
「……そうですか」
『こっち帰ってきたら、ノロケ報告会でも聞いてやるよ』
「……」
『何黙ってんの?』
「い、いや、阿比留さんとさーちゃんが一緒だって聞いてビックリしちゃって……」
『は? こんな時にまで妹の心配してんの? コイツだっていい年した大人なんだから、そこまで自分の保護下に置かなくてもいいんじゃねえ?』
「いい年ってどういう意味ー!」と沙綾がふざけて抗議してる声が聞こえてきて、阿比留さんが「ハイハイ」とたしなめているのが分かった。
ここで嫌味でも言われたら、私は笑って流す自信がない。
『そうだよ、お姉ちゃん! ガンバレー』
突然、電波の向こうで聞こえた妹の声に、心臓が凍りついた気がした。
「さーちゃん……?」
『ああ、今沙綾と一緒。沙綾も応援してるってさ』
「……そうですか」
『こっち帰ってきたら、ノロケ報告会でも聞いてやるよ』
「……」
『何黙ってんの?』
「い、いや、阿比留さんとさーちゃんが一緒だって聞いてビックリしちゃって……」
『は? こんな時にまで妹の心配してんの? コイツだっていい年した大人なんだから、そこまで自分の保護下に置かなくてもいいんじゃねえ?』
「いい年ってどういう意味ー!」と沙綾がふざけて抗議してる声が聞こえてきて、阿比留さんが「ハイハイ」とたしなめているのが分かった。