甘え下手
姉妹喧嘩
「お姉ちゃん、ズルい!」
阿比留さんと付き合いだしたことを沙綾に告白した時、最初の第一声がこれだった。
次の瞬間、飛びかかってきたのにはビックリした。
胸倉をギュウギュウしめられて、「ズルい、ズルいよ!」とわめく沙綾は子どもみたいで、こんな風にとっくみあいの喧嘩をするのなんて何年ぶりだろうと的外れなことを考えてしまった。
「ズ、ズルいって……! 何がズルいのっ?」
沙綾を引き離そうともがきながら、疑問を口にすると沙綾は唇をギュッと結んで黙ってしまった。
何がズルいのか理由まで考えてなかったらしい。
「……だって私が先に好きだって言ったじゃん!」
「す、好きになるかもって言ってただけじゃん! 勝手に脚色しないでよ!」
沙綾につられてヒートアップしてきて、お互いスクラムを組むような形でリビングでドタドタ暴れていると、お兄ちゃんが呆れ顔で入って来た。
「おまえらはアレか。小学生か。それともレスリングにでも目覚めたのか」
「おーにーいちゃん! 聞いてよ! お姉ちゃんが私の好きな人取ったんだよ!!」
「ちょっと変なこと言わないでよっ」
お兄ちゃんには折りを見て話そうと思ってたのに、この妹はなんてことを言うんだ。
阿比留さんと付き合いだしたことを沙綾に告白した時、最初の第一声がこれだった。
次の瞬間、飛びかかってきたのにはビックリした。
胸倉をギュウギュウしめられて、「ズルい、ズルいよ!」とわめく沙綾は子どもみたいで、こんな風にとっくみあいの喧嘩をするのなんて何年ぶりだろうと的外れなことを考えてしまった。
「ズ、ズルいって……! 何がズルいのっ?」
沙綾を引き離そうともがきながら、疑問を口にすると沙綾は唇をギュッと結んで黙ってしまった。
何がズルいのか理由まで考えてなかったらしい。
「……だって私が先に好きだって言ったじゃん!」
「す、好きになるかもって言ってただけじゃん! 勝手に脚色しないでよ!」
沙綾につられてヒートアップしてきて、お互いスクラムを組むような形でリビングでドタドタ暴れていると、お兄ちゃんが呆れ顔で入って来た。
「おまえらはアレか。小学生か。それともレスリングにでも目覚めたのか」
「おーにーいちゃん! 聞いてよ! お姉ちゃんが私の好きな人取ったんだよ!!」
「ちょっと変なこと言わないでよっ」
お兄ちゃんには折りを見て話そうと思ってたのに、この妹はなんてことを言うんだ。