甘え下手
オフィスラブ
阿比留さんにつかまったのは次の週半ばの自販機前だった。
ちょうど残業していて休憩中にコーヒーを買っていると、計ったかのように阿比留さんが現れた。
後から考えればそんな偶然できすぎだから、もしかしたら阿比留さんは参田さんにでも確認を取っていたのかもしれない。
そんなの阿比留さんのキャラじゃないから信じられないけれど。
「今日はココアじゃないんだな」
「ひゃっ」
誰もいないと思ってボーッとしていたところに声をかけられたから、心臓が縮みあがった。
「あ、阿比留さん……。お疲れ様です」
付き合っていなかった頃だってこうしてしゃべっていたから、今だって不自然じゃないはずなのに私はドキドキしながら目線を辺りにさまよわせた。
休憩コーナーにも廊下にももう人気はなかった。
「もう怒ってないんだ?」
私の態度が普通だったからか、ふっと笑って阿比留さんが私の頬をちょんと人差し指でつついた。
「ちょ、ちょっと……!」
ビクリと飛びのいてしまう私は小心者この上ない。
ちょうど残業していて休憩中にコーヒーを買っていると、計ったかのように阿比留さんが現れた。
後から考えればそんな偶然できすぎだから、もしかしたら阿比留さんは参田さんにでも確認を取っていたのかもしれない。
そんなの阿比留さんのキャラじゃないから信じられないけれど。
「今日はココアじゃないんだな」
「ひゃっ」
誰もいないと思ってボーッとしていたところに声をかけられたから、心臓が縮みあがった。
「あ、阿比留さん……。お疲れ様です」
付き合っていなかった頃だってこうしてしゃべっていたから、今だって不自然じゃないはずなのに私はドキドキしながら目線を辺りにさまよわせた。
休憩コーナーにも廊下にももう人気はなかった。
「もう怒ってないんだ?」
私の態度が普通だったからか、ふっと笑って阿比留さんが私の頬をちょんと人差し指でつついた。
「ちょ、ちょっと……!」
ビクリと飛びのいてしまう私は小心者この上ない。