甘え下手
深呼吸をしてから「酷いです」って抗議しようと口を開きながら顔を上げた。
「ひど……っ」
近づいてきた唇に残りの抗議の言葉は吸い込まれた。
軽く吸いついてチュッとリップ音を立てて離れるお互いの唇。
「悪い。比奈子があまりに可愛いから見惚れてた」
「……冗談はやめてください。絶対私鼻息荒かったもん。小鼻ヒクヒクしてたもん」
恥ずかしくて俯いたままボゾボソと抗議の言葉を続けた。
恥ずかしい。嬉しい。落ち着かない。
さまざまな感情がぐるぐると胸の内を回る。
「こんなに誰かに見られないかビクビクしてるくせに……」
阿比留さんの手が膝に置いてる私の手の上に重ねられる。
その動作にもビクつく気持ちはあるのに、その手をふり払おうとする気持ちにはなれない。
「目を閉じて俺を受け入れたじゃん」
「ひど……っ」
近づいてきた唇に残りの抗議の言葉は吸い込まれた。
軽く吸いついてチュッとリップ音を立てて離れるお互いの唇。
「悪い。比奈子があまりに可愛いから見惚れてた」
「……冗談はやめてください。絶対私鼻息荒かったもん。小鼻ヒクヒクしてたもん」
恥ずかしくて俯いたままボゾボソと抗議の言葉を続けた。
恥ずかしい。嬉しい。落ち着かない。
さまざまな感情がぐるぐると胸の内を回る。
「こんなに誰かに見られないかビクビクしてるくせに……」
阿比留さんの手が膝に置いてる私の手の上に重ねられる。
その動作にもビクつく気持ちはあるのに、その手をふり払おうとする気持ちにはなれない。
「目を閉じて俺を受け入れたじゃん」