甘え下手
不安
恋愛初心者の私には分からないことが多すぎて。

あの電話もどう捉えていいのか分からなかった。


単なる近親者として何か相談に乗ってあげていただけのようにも思えるし。

彼が眠れない原因は優子さんなんじゃないかとすら邪推してしまう自分もいる。


もっと言ってしまえば……。


「阿比留さんはそのお義姉さんのことが好きなんじゃないかってこと?」

「う、うん……」

「何だか突拍子もない話に聞こえるけど? じゃあなんで比奈子に告ったのよって話だし?」

「……だよね」

「だけど女の勘でそう感じたのなら侮れないわね」

「……」


結局どっちなんだろう。


秘密を抱えきれずに相談した相手は秋菜だった。

妹に相談できなかったのは姉としてのなけなしのプライド。


さーちゃんを押しのけてまで手に入れた恋だから、こんなことでグラついている情けない自分を知られたくなかった。
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