甘え下手
「クリーニング代払えなんて冗談だったんだけど」
「いやっ、だって実際、クリーニングには出したわけですよね!? だったら受け取ってください!」
ぐいぐいと押しつけるような勢いで封筒を差し出す私に、阿比留さんは嫌そうな顔をした。
私達の横を通り過ぎる人達も何事かと横目でチラチラ見ている。
「ちょっとこっち来て」
阿比留さんはため息をひとつついて、私をひとけのない建物の影まで連れて行った。
「あのさ」
「はい?」
「会社でこういうの、迷惑なんだよね」
「……はぁ、すみません」
阿比留さんの言いたいことも分かるけど、会社以外で阿比留さんに会う手段なんかないし、仕方ないと思う。
第一、阿比留さんが封筒受け取ってくれれば済む話なのに。
「普通は、お詫びにお食事でも……とかじゃねーの?」
出たっ。
遊び人発言!
本気で誘われるのも、からかわれるのも困る私は、さっと身構えながら次の手を打った。
「実はロッカーに菓子折り持参してるんですけど……」
「いやっ、だって実際、クリーニングには出したわけですよね!? だったら受け取ってください!」
ぐいぐいと押しつけるような勢いで封筒を差し出す私に、阿比留さんは嫌そうな顔をした。
私達の横を通り過ぎる人達も何事かと横目でチラチラ見ている。
「ちょっとこっち来て」
阿比留さんはため息をひとつついて、私をひとけのない建物の影まで連れて行った。
「あのさ」
「はい?」
「会社でこういうの、迷惑なんだよね」
「……はぁ、すみません」
阿比留さんの言いたいことも分かるけど、会社以外で阿比留さんに会う手段なんかないし、仕方ないと思う。
第一、阿比留さんが封筒受け取ってくれれば済む話なのに。
「普通は、お詫びにお食事でも……とかじゃねーの?」
出たっ。
遊び人発言!
本気で誘われるのも、からかわれるのも困る私は、さっと身構えながら次の手を打った。
「実はロッカーに菓子折り持参してるんですけど……」