甘え下手
仁に何があったのか訊かれた時にすんなり事の顛末を話したのは、我ながららしくなかったと思う。
だけどそれは自分のしたことに負い目があったから、誰かに話して懺悔したかったのかもしれない。
「……かもな」
「最低だよなー。他の女のトコ駆けつけるのに彼女にキレるなんて」
「……」
「俺が女だったら殴っちゃうかも」
「……いっそ殴ってくれよ」
きっと俺は比奈子なら怒らないだろうという甘えがあったのかもしれない。
彼女を甘えさせたいと思っていたのに、その実甘えていたのは俺の方だったっていう笑えない話。
「あーあー。落ちてるお前にふっかけてもつまんねーな」
仁はそういうとスマホを操作して誰かとメールをし始めた。
そう思うなら放っといてくれねえかなと思いながらジンの入ったグラスを口に運んだ。
「で、意識を取り戻したっつーお義姉さんはその後どうなの?」
「退院して実家帰った」
だけどそれは自分のしたことに負い目があったから、誰かに話して懺悔したかったのかもしれない。
「……かもな」
「最低だよなー。他の女のトコ駆けつけるのに彼女にキレるなんて」
「……」
「俺が女だったら殴っちゃうかも」
「……いっそ殴ってくれよ」
きっと俺は比奈子なら怒らないだろうという甘えがあったのかもしれない。
彼女を甘えさせたいと思っていたのに、その実甘えていたのは俺の方だったっていう笑えない話。
「あーあー。落ちてるお前にふっかけてもつまんねーな」
仁はそういうとスマホを操作して誰かとメールをし始めた。
そう思うなら放っといてくれねえかなと思いながらジンの入ったグラスを口に運んだ。
「で、意識を取り戻したっつーお義姉さんはその後どうなの?」
「退院して実家帰った」