甘え下手
「さあー。どうでしょう」
「食ったことないところに連れて行こうとしてたのかよ」
阿比留さんの呆れ顔に、私はあわてて訂正した。
「いやっ、確かに今はないですけど! 阿比留さんと行くまでには食べておく予定だったんです! ちゃんと自分で美味しいって思ってからご招待するつもりだったんです!」
「なに、わざわざ下見にでも行くの? すごい気合の入れようだね」
「違います。気合入ってるのは下見の方です! 櫻井室長が連れて行ってくれるんです!」
「へー」
「あ……」
しまった。
結局しゃべっちゃった。
だけど阿比留さんはやっぱり参田さんとは違って、そこを必要以上に茶化してきたりはしなかった。
「俺が一緒に行ってやろうか?」
「は? はぁ」
「下見の下見」
「はぁ!?」
「鴨食ったことないんだろ? 櫻井室長と行ったときに苦手な味だったら気まずいだろ? だからその下見」
「食ったことないところに連れて行こうとしてたのかよ」
阿比留さんの呆れ顔に、私はあわてて訂正した。
「いやっ、確かに今はないですけど! 阿比留さんと行くまでには食べておく予定だったんです! ちゃんと自分で美味しいって思ってからご招待するつもりだったんです!」
「なに、わざわざ下見にでも行くの? すごい気合の入れようだね」
「違います。気合入ってるのは下見の方です! 櫻井室長が連れて行ってくれるんです!」
「へー」
「あ……」
しまった。
結局しゃべっちゃった。
だけど阿比留さんはやっぱり参田さんとは違って、そこを必要以上に茶化してきたりはしなかった。
「俺が一緒に行ってやろうか?」
「は? はぁ」
「下見の下見」
「はぁ!?」
「鴨食ったことないんだろ? 櫻井室長と行ったときに苦手な味だったら気まずいだろ? だからその下見」