腐女子な漫画家に溺愛されチュウ!?
「ふぅ…」
ほたるが、今日は帰ろう、と切り出してくれたおかげでやっとセーラー服を脱いでいる時。
「なぁ、善哉…」
カーテンの向こうに、ほたるが居るのがわかった。
目の前に影が出来ていたから。
話し掛けられ、生返事をしているがベルトをするのにてこずっていたら。
「キスって…どんなんだ??」
急に、聞かれた。
ベルトを握っていた手が少し弱まる。
「そ、そんなのいつも漫画で書いてんじゃねーか」
ハッ、と我に帰ってベルトに穴を通す。
そしてハンガーにかかっていたカッターシャツを手にとる。
「男女での、だよ…この前、編集長に怒られちまった…たまにはノーマルも書いてくれないか、画力もあるんだから、って。」
どうやらほたるは本当に悩んでいるらしい。
「それが普通なんじゃねぇの??ほたるはマジ絵も上手いしよ…」
そう言ったら、ほたるはただフフッと笑った。
それに俺は罪悪感を感じた。
カッターシャツに片腕を通したら、またほたるが口を開いた。
「私…恋愛もした事ねぇし、キスもした事もねぇ…片思いしか…」
「なら俺も一緒だし、BLだって想像で出来てたんだからできんじゃねーの」
俺が、もう片腕を通そうとした時。
シャーッ!!
って音は、カーテンが開かれた音だった。
ほたるによって。
せまい個室の中、ほたるが俺に詰め寄ってくるからカッターシャツも半脱ぎ状態。
「小さい頃から、BLが好きだった…!!だから、もう…考えれない!!!!」
ほたるの瞳は、眩しく照らす夕日のせいか、潤んで見えた。
眉毛と目尻は垂れ下がり、今にも泣きそうな状態。