腐女子な漫画家に溺愛されチュウ!?




『おぉーッ!!いきなり夫婦対決だぁーッ!!!!!!!」


野郎共は口々にほたるを応援する。

俺達は向かい合って右手を組む。


そして、不適に笑い合う。

ほたるは犬歯がギラリと覗いていて。


初めて会った時を思い出した。

「俺は絶対勝つぜ…」

そう言ったら、いつもみたいにんひゃひゃ、と笑う。

でも、目が笑っていなくて目は怪しく光っていた。


「私も手加減は無しだからな☆」

パチ、とウインクをされる。


『ではいきますよーッレディー……ゴッ!!』

そう言ったのと、辺りが急に静かになったのはほぼ同時。

一瞬にして、俺を負かしていたから。


手の平に痛みが遅れて届く。

「え…??」


俺はとっさにそんな呆気ない言葉しか出なくて。

『えーっ…と、か、勝ったのは岩動ほたる!!二回戦進出可能です!!!!』


二年連続司会の伊東も一瞬フリーズした後、仕切り直した。

「手加減しないっていっただろ☆」


また、犬歯を覗かせて笑うほたるに若干恐怖感を覚えたのは多分俺だけ。

初めて会った時も思ったんだけど、ほたるは足や手のバネが凄い。


そして、耳もいいし、短距離をしたら絶対いけるヤツだ。

多分それらが重なって今俺を瞬殺できたんだろうな。


あれ…??


確かほたるって…


左利きだよな??






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