腐女子な漫画家に溺愛されチュウ!?
日曜日。
そろそろ秋も終わりかけで、冬が近づいてこようとする。
俺は、あらかじめ親父に了承を得て、待ち合わせ場所で待つ。
すると、ほたるの声が。
声の方向を向いても、ほたるの姿は見えない。
しばらくそっちの方を向いていたら、米粒みたいに小さいほたるが見えた。
やっぱり。
何かほたるのテレパシー的なのが聞こえたんだよね。
何か建物があるわけでもなく、ゆっくりと大きくなるほたるを眺めていた。
こんな展開りぼんでも見たことあるぞ。
なんか、待ったー??的な事を聞かれて爽やかに待ってないよとか言えばいいパターンだな、これ。
「善哉、待ったか??」
フフ、イメトレ通り爽やかな笑顔で…
そう頭で考えながらほたるの方を向いたら。
めっちゃかわいいほたるが、目の前に居た。
もちろん24時間365日かわいいほたるだが。
私服とは、一体なんの魔法がかかっているのだろうか。
それとも、いつも男みたいな喋り方しているギャップのせいか。
ふわふわしていて、薄い黄緑と薄いピンクと白が基調の服装。
俺が、何にも言えず顔を赤くして固まっていると。
「あ…やっぱ待ったんだな…」
って言うから。
でも俺はまだほたるという夢から完全に覚め切れなくて、言葉が弱々しくなる。
「…いや…待ってねぇよ…それより、ほたる…お前……やっぱかわいいな」
ぼんやりと言ったら。
今度はほたるが固まってみるみる顔も赤くなっていく。
そして、腕で赤くなる顔を隠して。
小さく、
「馬鹿…ッ」
って呟いた。
そんなほたるがかわいすぎて。
もれなく心臓爆発しちまうよ。