腐女子な漫画家に溺愛されチュウ!?



しばらくして、16階までついた。

ついた、のだが…


何号室か聞くのを忘れた。

つーかあの人お好きな部屋とか言っていたけどそんなの迷惑きわまりないだろ。


俺はそういう所常識人だからね。

決して怒られる事とかが怖いわけじゃないからね。


「ほーたーるー」

部屋番を聞こうと思って、ほたるを揺すったり呼んだりするが、失敗に終わる。


どうすればいいんだよ!!!!

もういい!!!!

いっちゃえーーーい!!!!!!


俺はヤケクソの思いで扉を開ける。

なぜか鍵はかかっていなくて。


恐る恐る靴を脱いでほたるの靴も脱がして。

奥に入って行く。

どうやらワンルームの様だった。


途中にトイレとバスルームらしき扉以外何も泣い廊下をほたるを抱えて歩いて、次の部屋に繋がる扉を開く。

思っていたより、広くて。


そこに驚いたのもあるが。

なんと目の前にはダブルベッドがあって。


ベッドの装飾などはまるでラ〇ホテルのようだった。

「ぇぇええ」


俺達はまだまだ健全。

大人の階段登るにはちっとばかし早くねぇか…??


そんな事を考えながらもやはり視界にチラチラと入るダブルベッド。

…。

そうだ、これは仕方ねぇんだ、これは。


こんな部屋で無防備に寝るなんざ俺を誘っているようにしか見えない。

俺の俺もアレだぞ??

そういう事になってンだよ、ここは状況に甘えてみようじゃないか。


俺も男だ!!!!!

俺はゆっくりとほたるをベッドに寝かした後深呼吸を、する。


「ほたるが起きたら…な」

俺はまじないの様に呟いたあと、共に布団に潜る。


そうだ、起きたらでいい。

寝込みだなんてコイツに何されるか分からないし俺のポリシー的なアレに反する。


確かにそういうシチュエーションは憧れたりするけど。

やっぱり愛する女には、泣いてほしくねぇ。


夜は長い。

そう考えながらほたるの髪を撫でているとほたるは嬉しそうに口元を綻ばせた。


やっぱり、笑ってるのがいい。

あーー、くせぇな、俺。




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