腐女子な漫画家に溺愛されチュウ!?
俺は、今全速力でチャリを漕いでいた。
早く、かつ安全に。
このまま、居たい。
苦しかった。
ほたるの事。
好きなんだ。
だから、苦しいんだ。
だから、だから、だから。
嫉妬だなんて女々しい。
俺の中の感情は、もう抑えきれないかも。
だからこうして、チャリをぶっ放して忘れたかったからかもしれない。
そんなの、俺もわかンねぇ。
わかンねぇ。
なにもかも、わかンねぇ。
ただ分かっているとしたら。
こんな自分自身がムカつく事と。
ほたるがどうしても好きな事。
ああああぁぁぁぁあああ!!!!!!!
「キャホゥゥ!!!風がきもちイイぜ!!!」
どこまでも暢気なほたるは、そうはしゃいでいる。
まぁ俺に安心してくれてるンだろうか。
「今なら風になれる!!!」
「うるせぇ!!!ンなこと言うンだったら代われ!!!!」
「普通女の子に漕げとか言うか??あ、アレだ、私サライ歌うから頑張れ!!!」
「黙れぇぇええ!!!」
なんて、いつものようなやりとりをする。
俺の家に、ついた。
「待ってろ!!」
俺は、ほたるの返事なんか聞かずに乱暴にドアを開けた。
高速で、階段を駆け上がり自分の部屋に入って制服を着る。
下から、
「善ちゃんも朝帰りするのね〜」
なんて、ちょっと嬉しそうに言う。
俺は階段を駆け降り、
「ごめん、ママ!!!!!!」
そう言って玄関の扉をまた、乱暴に開いた。
「…ママ??…ふふ、行ってらっしゃい、善ちゃん」
俺はとっくに、チャリに乗っていた。